環境変数によりコンテナにPod情報を共有する
このページでは、Podが内部で実行しているコンテナに自身の情報を共有する方法を説明します。環境変数ではPodのフィールドとコンテナのフィールドを共有することができます。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
Downward API
Podとコンテナのフィールドを実行中のコンテナに共有する方法は2つあります:
- 環境変数
- ボリュームファイル
これら2つの方法を合わせて、Podとコンテナフィールドを共有する方法をDownward APIと呼びます。
Podフィールドを環境変数の値として使用する
この演習では、1つのコンテナを持つPodを作成します。Podの設定ファイルは次のとおりです:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: dapi-envars-fieldref
spec:
containers:
- name: test-container
image: k8s.gcr.io/busybox
command: [ "sh", "-c"]
args:
- while true; do
echo -en '\n';
printenv MY_NODE_NAME MY_POD_NAME MY_POD_NAMESPACE;
printenv MY_POD_IP MY_POD_SERVICE_ACCOUNT;
sleep 10;
done;
env:
- name: MY_NODE_NAME
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: spec.nodeName
- name: MY_POD_NAME
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: metadata.name
- name: MY_POD_NAMESPACE
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: metadata.namespace
- name: MY_POD_IP
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: status.podIP
- name: MY_POD_SERVICE_ACCOUNT
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: spec.serviceAccountName
restartPolicy: Never
設定ファイルには、5つの環境変数があります。env
フィールドはEnvVarsの配列です。配列の最初の要素では、環境変数MY_NODE_NAME
の値をPodのspec.nodeName
フィールドから取得することを指定します。同様に、他の環境変数もPodのフィールドから名前を取得します。
Podを作成します:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/inject/dapi-envars-pod.yaml
Podのコンテナが実行されていることを確認します:
kubectl get pods
コンテナのログを表示します:
kubectl logs dapi-envars-fieldref
出力には、選択した環境変数の値が表示されます:
minikube
dapi-envars-fieldref
default
172.17.0.4
default
これらの値がログにある理由を確認するには、設定ファイルのcommand
およびargs
フィールドを確認してください。コンテナが起動すると、5つの環境変数の値が標準出力に書き込まれます。これを10秒ごとに繰り返します。
次に、Podで実行しているコンテナへのシェルを取得します:
kubectl exec -it dapi-envars-fieldref -- sh
シェルで環境変数を表示します:
/# printenv
出力は、特定の環境変数にPodフィールドの値が割り当てられていることを示しています:
MY_POD_SERVICE_ACCOUNT=default
...
MY_POD_NAMESPACE=default
MY_POD_IP=172.17.0.4
...
MY_NODE_NAME=minikube
...
MY_POD_NAME=dapi-envars-fieldref
コンテナフィールドを環境変数の値として使用する
前の演習では、環境変数の値としてPodフィールドを使用しました。次の演習では、環境変数の値としてコンテナフィールドを使用します。これは、1つのコンテナを持つPodの設定ファイルです:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: dapi-envars-resourcefieldref
spec:
containers:
- name: test-container
image: k8s.gcr.io/busybox:1.24
command: [ "sh", "-c"]
args:
- while true; do
echo -en '\n';
printenv MY_CPU_REQUEST MY_CPU_LIMIT;
printenv MY_MEM_REQUEST MY_MEM_LIMIT;
sleep 10;
done;
resources:
requests:
memory: "32Mi"
cpu: "125m"
limits:
memory: "64Mi"
cpu: "250m"
env:
- name: MY_CPU_REQUEST
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: requests.cpu
- name: MY_CPU_LIMIT
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: limits.cpu
- name: MY_MEM_REQUEST
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: requests.memory
- name: MY_MEM_LIMIT
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: limits.memory
restartPolicy: Never
設定ファイルには、4つの環境変数があります。env
フィールドはEnvVarsの配列です。配列の最初の要素では、環境変数MY_CPU_REQUEST
の値をtest-container
という名前のコンテナのrequests.cpu
フィールドから取得することを指定します。同様に、他の環境変数もコンテナのフィールドから値を取得します。
Podを作成します:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/inject/dapi-envars-container.yaml
Podのコンテナが実行されていることを確認します:
kubectl get pods
コンテナのログを表示します:
kubectl logs dapi-envars-resourcefieldref
出力には、選択した環境変数の値が表示されます:
1
1
33554432
67108864