PodにQuality of Serviceを設定する
このページでは、特定のQuality of Service (QoS)クラスをPodに割り当てるための設定方法を示します。Kubernetesは、Podのスケジューリングおよび退役を決定するためにQoSクラスを用います。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
QoSクラス
KubernetesはPodの作成時に次のいずれかのQoSクラスをPodに割り当てます:
- Guaranteed
- Burstable
- BestEffort
namespaceの作成
この演習で作成するリソースがクラスター内で分離されるよう、namespaceを作成します。
kubectl create namespace qos-example
GuaranteedのQoSクラスを割り当てたPodを作成する
PodにGuaranteedのQoSクラスを与えるには、以下が必要になります:
- Pod内のすべてのコンテナにメモリーの制限と要求が与えられており、同じ値であること。
- Pod内のすべてのコンテナにCPUの制限と要求が与えられており、同じ値であること。
以下に1つのコンテナをもつPodの設定ファイルを示します。コンテナには200MiBのメモリー制限とリクエストを与え、700ミリCPUの制限と要求を与えます。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: qos-demo
namespace: qos-example
spec:
containers:
- name: qos-demo-ctr
image: nginx
resources:
limits:
memory: "200Mi"
cpu: "700m"
requests:
memory: "200Mi"
cpu: "700m"
Podを作成してください:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/qos/qos-pod.yaml --namespace=qos-example
Podの詳細な情報を確認してください:
kubectl get pod qos-demo --namespace=qos-example --output=yaml
この出力では、KubernetesがPodにGuaranteed QoSクラスを与えたことを示しています。Podのコンテナにメモリー制限と一致するメモリー要求があり、CPU制限と一致するCPU要求があることも確認できます。
spec:
containers:
...
resources:
limits:
cpu: 700m
memory: 200Mi
requests:
cpu: 700m
memory: 200Mi
...
status:
qosClass: Guaranteed
Podを削除してください:
kubectl delete pod qos-demo --namespace=qos-example
BurstableのQoSクラスを割り当てたPodを作成する
次のような場合に、Burstable QoSクラスがPodに与えられます:
- PodがGuaranteed QoSクラスの基準に満たない場合。
- Pod内の1つ以上のコンテナがメモリーまたはCPUの要求を与えられている場合。
以下に1つのコンテナをもつPodの設定ファイルを示します。コンテナには200MiBのメモリー制限と100MiBのメモリー要求を与えます。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: qos-demo-2
namespace: qos-example
spec:
containers:
- name: qos-demo-2-ctr
image: nginx
resources:
limits:
memory: "200Mi"
requests:
memory: "100Mi"
Podを作成してください:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/qos/qos-pod-2.yaml --namespace=qos-example
Podの詳細な情報を確認してください:
kubectl get pod qos-demo-2 --namespace=qos-example --output=yaml
この出力では、KubernetesがPodにBurstable QoSクラスを与えたことを示しています。
spec:
containers:
- image: nginx
imagePullPolicy: Always
name: qos-demo-2-ctr
resources:
limits:
memory: 200Mi
requests:
memory: 100Mi
...
status:
qosClass: Burstable
Podを削除してください:
kubectl delete pod qos-demo-2 --namespace=qos-example
BestEffortのQoSクラスを割り当てたPodを作成する
PodにBestEffort QoSクラスを与えるには、Pod内のコンテナにはメモリーやCPUの制限や要求を指定してはなりません。
以下に1つのコンテナをもつPodの設定ファイルを示します。コンテナにはメモリーやCPUの制限や要求がありません:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: qos-demo-3
namespace: qos-example
spec:
containers:
- name: qos-demo-3-ctr
image: nginx
Podを作成してください:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/qos/qos-pod-3.yaml --namespace=qos-example
Podの詳細な情報を確認してください:
kubectl get pod qos-demo-3 --namespace=qos-example --output=yaml
この出力では、KubernetesがPodにBestEffort QoSクラスを与えたことを示しています。
spec:
containers:
...
resources: {}
...
status:
qosClass: BestEffort
Podを削除してください:
kubectl delete pod qos-demo-3 --namespace=qos-example
2つのコンテナを含むPodを作成する
以下に2つのコンテナをもつPodの設定ファイルを示します。一方のコンテナは200MiBのメモリー要求を指定し、もう一方のコンテナには要求や制限を指定しません。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: qos-demo-4
namespace: qos-example
spec:
containers:
- name: qos-demo-4-ctr-1
image: nginx
resources:
requests:
memory: "200Mi"
- name: qos-demo-4-ctr-2
image: redis
このPodがBurstable QoSクラスの基準を満たしていることに注目してください。つまり、Guaranteed QoSクラスの基準に満たしておらず、一方のコンテナにはメモリー要求を与えられています。
Podを作成してください:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/qos/qos-pod-4.yaml --namespace=qos-example
Podの詳細な情報を確認してください:
kubectl get pod qos-demo-4 --namespace=qos-example --output=yaml
この出力では、KubernetesがPodにBurstable QoSクラスを与えたことを示しています:
spec:
containers:
...
name: qos-demo-4-ctr-1
resources:
requests:
memory: 200Mi
...
name: qos-demo-4-ctr-2
resources: {}
...
status:
qosClass: Burstable
Podを削除してください:
kubectl delete pod qos-demo-4 --namespace=qos-example
クリーンアップ
namespaceを削除してください:
kubectl delete namespace qos-example